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がんと闘うのも共存するのもあなた次第

みなさん!がんと聞いただけでとても怖い病気で、もうだめだと思ってはいませんか?がんは早く見つかって、治療を受ければ大半は治ってしまうのです。精神的パニックに陥ってしまっている患者に次々といろんな情報が入り込んでしまい、適切な治療を受けられずに、治るがんも失敗に終わってしまうことがよくあります。まず自分なり家族なりがんにかかったら次の点をしっかりと心にとどめて対応しましょう。

1)主治医(詳しく説明してくれない医師やかたよった特殊な考えをもつ医師は不適当で、主治医を代えてもらえばよいでしょう。) からどういう種類のがんでどの程度まで進行しているのかを納得がいくまで何度でも説明してもらいましょう。 「 私らは素人やから 」とはじめから説明を理解しようとしないなら、それは患者さん側の義務の放棄です。患者の権利が無視されてインフォームドコンセントが十分でないとマスコミでよく報道されていますが、これは必ずしも正しいとはいえないのです。患者さんも治療に参加する中心者なのだからわからないままで治療を受けてはだめです。私が勤務医のときには治療法を決定するまでに計24時間以上かけたケースもあります。その間患者家族はかなり自分のがんについて勉強されました。外国では当たり前のことなのです。

2)医師の説明のときには親類や知人でかなり影響力を持つ人がいたらその人に同席してもらいましょう。 私の今までの経験でこういう人はあまり同席せず、陰で「手術したらだめ。抗がん剤もだめや。」といって患者さんや家族がどうしてよいか困ることが非常に多いのです。また、「このくすり(?)がええから」と非常に高価な健康(?)食品を渡され、患者さんが断りきれないこともしばしばです。がんの治療は患者さん、家族と医療者が一致団結して共通の目標に向かって歩まねばならず、ばらばらではだめです。

3)同じ臓器のがんでもいろんな種類があり、もちろん治療方法もことなるのです。 たとえば肺がんでも4種類(悪性度の低いがんも含めればもっとあります。)あり、抗がん剤の効くタイプと効かないタイプがあり、手術が優先されるものとされないものがあります。もちろんがんの進み具合によって治療法の優先順位は異なります。患者を迷わすように「あらゆるがんに効く」といった宣伝文句の治療はうそだと思ってください。「がんが消えた」とかいうのも本当にがんか疑問です。見た目でがんとは確定できず、顕微鏡や特殊な検査法によってがんの診断は下されるのです。

4)治療法を決定するのは患者さん自身です。主治医から治療法がいくつか示されたら、その治療法の良い点、悪い点を十分に聞いて比較することです。しかし、その場ですぐに結論を出さないことです。もう一度ゆっくり考えましょう。あなた自身の問題なのですから。

5)がんの治療は少なからず患者を悪くする治療です。 このことは非常に不思議なことかもしれません。なぜ治療を受けて悪くなるのでしょう。現在のがんの治療は大きく分けて、 手術、放射線、抗がん剤 です。手術は皮膚を切って臓器を取ってしまうので機能的、美容的にも良くなることは決してありません。放射線は腫瘍周辺にも爆撃を加えるわけですから、正常な部分も影響を受け機能的に落ちます。抗がん剤は全身にいきわたり、細胞を造る力が低下します。しかし、損失を少なくして、利益がたくさん得られる治療を選択すれば良いのです。「患者よ!がんと闘うな!」という本で迷われた方。ボクシングでどんな偉大なチャンピオンでも相手をKOするまでには少しぐらいのパンチは受けるのです。こわがらずに大いに闘ってください。

6)がんと共存してもよい。どの治療法でも損失が多くて、利益がほとんどないなら無理して治療を受ける必要なありません。がんと共存しても良いのです。がんが悪さして痛いのなら麻薬を使っても良いし、一部だけ放射線を使っても良いし、水がたまっているなら抜いて抗がん剤を入れても良い。QOL(日常生活の質)を維持しながら、共存しても決して悪くはないのです。このような状態ですでに3年以上経過して、通院されている患者さんも何人かおられます。また、甲状腺がんや前立腺がんなどは別の病気で亡くなってから解剖で見つかるケースが多く、生前中知らぬまにがんと共存していたのです。それでもどうしても共存するのがいやだという方には究極の治療法方をお教えしましょう。患者さん、あなたが亡くなればがんは無くなります。どうします?

さあ、ゆっくり考えましょう。もうがんは怖い病気で亡くなってきたのです。ほかに怖い病気はいっぱいあります。うっとうしいことは早く済ませて治療後の楽しいことを考えましょう。