ぜんそくコーナー

ぜんそくと上手に付き合おう!

ぜんそくにはアトピーが原因のものと内因性のものがあります。前者は小児ぜんそくのほとんどがこれです。遺伝的要素が強く、アトピー性皮膚炎やアレルギー性鼻炎などを伴っていることが多いです。後者は中年以降のことが多く、気道感染などを契機として生じてきやすいです。 ぜんそくとは気道壁の慢性炎症で、慢性気管支炎と違って、壁が過敏な状態になっている病気をいいます。ぜんそく発作が起こると気管支の筋肉が痙攣し、気道が狭くなり呼吸困難に陥る病態です。そのため救急車で病院に運ばれ、気管支拡張剤の点滴を受けて楽になった方、または周りにそのような方をご存じの方は多いと思います。すぐに呼吸が楽になって、治ったと勘違いされている方は多いでしょう。これは発作が治まったのでぜんそくが治ったのではないのです。そうなのです! ぜんそくの患者さんは糖尿病や狭心症などの患者さんと違って病識が乏しいのです。

ぜんそくには発作の治療と管理の治療があります。つまり日常の診療は管理の治療が本来の治療なのです。子供のぜんそくは小学校高学年で大方治癒しますが、大人のぜんそくは治らないと思った方がよいでしょう。そのためにはぜんそくの管理が重要であることを認識してください。 ぜんそくとうまく付き合う方法は、担当医から自分の病態について十分に説明を受け、そのためにはどうすれば安心して付き合えるのかを理解する必要があります。よくぜんそくに気管支拡張剤(吸入剤や内服薬)を用いますが、こればかりに頼っていたらぜんそくのコントロールはどんどん悪くなっていきます。  

ぜんそくの治療の第1選択剤はステロイド吸入剤です。この薬剤は局所的に作用し、問題となる気道壁の炎症を抑え、過敏性を静めるのです。内服薬や注射と違って全身に及びませんし、気管支拡張剤の使用頻度を少なくすることができます。ステロイドと聞くだけで拒絶反応をする洗脳された患者さんがしばしばおられますが、副作用はほとんどなく、のどの異物感か声が嗄れることがにある程度です。また、口腔内にカビが生える危険性があるかもしれないので吸入補助器を使用し、吸入後は必ずうがいをすれば防げます。この治療法は1997年に世界で示されたぜんそく管理指針に基づいています。


「やすだ医院 ぜんそく日誌」とピークフローメーター
私の診療所は月に200人前後のぜんそく患者さんが来られておりますが、80%以上の患者さんはステロイド吸入剤とぜんそく発作時の気管支拡張剤の適宜使用のみで良好にコントロールされています。本来ぜんそく患者さんに対しては症状がない状態に管理することが必要なのです。

症状が無くなればついぜんそくが治ったと勘違いしてしまいます。通常ぜんそくに対して改善したのか悪化しているのか、症状だけの判断で客観的な裏付けがありません。そこで吸入剤で安定したら、今度はぜんそくの状態を客観的に知るためにピークフローメーターを用いてぜんそく日記をつけましょう。ピークフローメーターの値が減少してきたら、医師の指示に従って吸入量を増やしましょう。この方法は小児に関しても同様であります。小児は両親の監視下にありコントロールは容易ですが、病識の低い、かつ規制されるのを嫌う中〜大学生が要注意です! ましてや喫煙はもっての外です。

日頃の気道の状態を把握する必要があるのです。皆さん!血圧の高い人は血圧を測ります。高脂血症の人はコレステロールを、糖尿病の人は血糖値を測るでしょう。今までぜんそくの人は症状が出るまでぜんそくの状態を把握することができなかったのです。その指標としてできたのがピークフローメーターなのです。言ってみたらぜんそくの人は呼気時の瞬間最大風速が出せないのです。そのためにその速度が落ちてくるのです。つまり症状が出るまでにぜんそくの発作を予知できるのです。

毎日決まった時間にピークフローメーターを思い切り吹いて瞬間最大風速(PEF)を測定しましょう。その値をぜんそく日誌につけてみましょう。その値を参考に吸入剤の量 を増やしたり、減らしたり、さらには中止したりすることが安全に行なえるのです。

当院では医師の指示どおりに吸入ができるようになったら、ピークフローメーターを使用してもらっています。使い勝手の良いように「やすだ医院ぜんそく日誌」をお渡しし日頃のピークフロー値を記載してもらっております。それほど手間もかからずに監視が出来ます。

ところでぜんそくを悪化させる因子は何があるでしょう?次に掲げますと、
アレルゲン(アレルギー原因物質)、風邪、喫煙(受動喫煙を含めて)、運動、気象の変化(季節の変わり目で大気圧の通過)、アルコール、薬剤(非ステロイド系の鎮痛解熱剤、麻薬、βブロッカー降圧剤)、ストレス
などがあります。

こういう危険増悪因子に注意しながら良好なぜんそく管理を行いましょう。なかなかぜんそくがコントロールできていない患者様は専門医に相談されることをお勧めします。