昨日、高血圧症の患者さんが受診され、「薬を飲み始めると一生止められないと聞いているので、それがいやで受診せずに今日まで放置していた」とのこと。この様な訴えは非常に多いです。なぜなんでしょう?話を聞いていると「たばこ30本、アルコールビール1本、運動無し、夜の食事が遅い。ストレスは強い。」血圧を上げる要因は極めて多いのです。

 いつも私がお話しするのは、「私は薬を出すのが嫌いです。でも高いときには服用すべきです。しかし、服用と並行して止める努力も必要でしょう。当たり前ですが、それをしないと止めることは出来ません。」。患者さんは理解していただけたと思います。いつも行うことですが、こちらも患者さんの日常生活が分からないので、1週間患者さんの消費カロリーを計算する万歩計と摂取カロリーと栄養の内訳を解析できるチェクシートをお渡ししました。それと現時点での最低量の降圧剤を処方しました。その結果を見てから生活指導に入ります。

 高血圧症はご存知のように生活習慣病です。生活習慣の偏りが様々な身体への影響を及ぼしています。体重を3K減らすだけで血圧は10ほど下がります。たばこを止めるだけでも血圧は下がります。適切な運動をするだけで血圧も下がります。私が負荷心電図などから作成した運動処方箋にそって疾病予防施設ベッセルンで運動されている方はすでに20人ほどが薬を中止か減量しています。実を言うと私も血圧が高く、少量の降圧剤を服用しています。今では食事と運動などで血圧は下がり、上が100前後です。近々中止する方向です。

 来年から基本検診法が改訂され、かなり積極的な生活指導が義務化されます。医療側も「がんばって歩きなさいよ。足が痛い?無理しないように。」とか「あまりアルコールを飲み過ぎないように。たばこを減らしなさいよ。」、患者側も「犬の散歩に行ってます。気がついたら身体動かしてます。」や「ビール止めて焼酎にしています。たばこは軽いのに変えました。」といったいい加減な指示や行動では成果は出ないでしょう。厚労省の具体的な対策が先日発表されました。いよいよ医療側も患者側も正念場になりそうです。(安田雄司)