花粉症コーナー
花粉症の治療にもガイドラインがあります。

いろいろ民間療法もあるけど、正しい治療を受けましょう。


花粉症の治療には、その症状と用途にあった薬を使用することが大切です。いろいろ花粉症の患者さんを迷わす治療法があれやこれやといろんなところで散乱していますが、多くの専門医が検証した治療を行うのが最も安全で、確実であることを理解しましょう。

花粉症に用いる薬は、
(1)抗アレルギー剤:アレルギー症状を引き起こすのは化学伝達物質があるからです。目のかゆみ、鼻水、鼻づまり、くしゃみや皮膚のかゆみなどを引き起こします。症状が現れてくる前から使用すると花粉症の時期を比較的軽い症状で押さえることが出来ます。安全な薬が多いのですが、妊娠中の患者さんには使用できない薬剤がほとんどです。点眼薬や点鼻薬もあり、局所症状のきつい場合には追加します。コンタクトレンズの方の点眼薬使用では、薬剤に防腐剤を含んでいるために2週間以上長期使用のソフト交換レンズを使用の方は止めましょう。

(2)抗ヒスタミン剤:鼻水やくしゃみなどの症状を引き起こすヒスタミンをブロックする薬剤です。即効性ですが、眠気、倦怠感、口渇感や排便困難などがあります。車の運転には注意です。最近では眠気がほとんど無い抗ヒスタミン剤も出ておりますので、昔ほど副作用に悩むことはなくなりました。緑内障や前立腺肥大症の患者さんの使用には注意が必要です。

(3)局所ステロイド:局所のアレルギー症状がさらに強い場合に用います。強力ですが、安易に使用しないようにしましょう。臨時的に使用しましょう。緑内障の患者さんは使用しないでください。

花粉症の患者さんに長期間作用型のステロイド注射は正しい治療なのでしょうか?

毎年何人かの花粉症患者さんから「花粉症がきついので注射をうってもらえないか?」と要望があります。一部の医療機関で長時間作用型のステロイドをうっているため同じ治療をしてもらえるものと思っているからです。観光バスで近隣県から患者がツアーで来るらしい。確かに良く効くであろう。しかし、この治療法はどの医学書を見ても載っていない特殊な治療法である。

私はこのような要望があったら必ずこう答えるのです。「確かに効くでしょう。しかし、副作用の出現に関して何も気にしないのなら注射すればよいでしょうが、医学書に書いていない治療法に関して私は責任がもてません。私も30年来のひどい花粉症患者ですが、この副作用を心配しないなら、真っ先に一番私がうっています。うたないのは副作用が怖いからです。私が自分自身にうたずに患者さんである貴方に怖い薬をうてますか?」と。こう答えると、全員納得していただけます。 ACTH という脳の下垂体から分泌されるホルモンで、副腎皮質ホルモン(ステロイド)を刺激することで分泌を促す作用を持ち、主に夜間に分泌されている。しかし、長時間作用型のステロイドを注射することでこの ACTH の分泌は減少し、いろいろな問題点を生み出してくる。女性なら月経がとまったり、しばらくは出産できなかったり、注射の跡が窪んできたりする。とりあえず自分の副腎皮質ホルモンのバランスが狂ってくる。気管支ぜんそくのコントロール不良例で稀にこのステロイドをうつことがある。気管支ぜんそくでは死亡することがある。花粉症で死ぬことはまずありえない。花粉症にどの薬を用いるか当然ガイドラインというものがある。ガイドラインには「全身性の経口ステロイド薬は副腎機能抑制の可能性があり,重症例への短期間投与に留めるべきである.また筋注ステロイド薬は,月経異常や筋の萎縮が認められることがあり,通常の治療として推奨できない.」と記載されています。

私は、患者の花粉症の程度、期間、患者の生活環境に応じて個々に抗アレルギー剤を選択して処方しております。一般に薬代が高いので、必要に応じて効果のはっきりしたジェネリック剤も使用しています。そして、患者さんに使用する前に製薬メーカーが持ってくる抗アレルギー剤の試供品はすべて私が服用し、その効果と副作用の程度を体験しております。必ずしも私が良いと思った薬でも他の患者さんには合わないこともあります。したがって、少なくとも新しい抗アレルギー剤が従来の抗アレルギー剤と比べて満足いくものか自分なりに判断しておく必要があるのです。なぜなら?私も患者ですから。

減感作療法って?

花粉のエキスを週1回ペースで注射し、徐々に濃度を濃くして花粉に対して身体を順応させていく方法です。安全な方法でもあるのですが、いくつかの問題点があります。
つまり、毎週通院していく必要があること。2年間ほど通いながら行う治療ですが、成功率は 6,70% 程度でしかないこと。花粉症の原因が 1 種類であればいいのですが、かなりの方が複数の花粉症を持っています。
したがって、すべての花粉症に減感作療法を行うとしたら、かなりの期間を要することになります、3種類以上花粉症を持つ私ですが、これを毎週通院して行うとすると、自分の人生のかなりの期間を減感作療法に費やされるかと思ったらこの治療には消極的になってしまいます。

花粉症の人はぜんそくに陥りやすい?

東京都の気管支ぜんそくの患者さんの70%が花粉症を合併しているとの報告がされておりました。当然同じ気道系のアレルギー性疾患ですから、理解できます。花粉症とは花粉が原因で目の結膜や鼻の粘膜に炎症をきたす病気です。結膜に炎症をきたすと目頭がかゆくなって、充血してきます。

鼻からのどを通って気管、気管支そして肺に至る通路を気道といいます。この気道の内側の壁は上皮細胞といって容易に細菌が体の中に入らないようにとりでを構えているのです。そこで花粉という異物が最初に鼻の粘膜に付着するとアレルギーのある人はそのとりでが戦争の場所になるのです。まず、その異物を追い出そうとくしゃみが出てきます。一触即発の非常に過敏な状態になっているのです。つづいて、くしゃみで追い出せなくなってくると鼻水が出てきます。当然、戦争になればそこに花粉と戦うためには軍事物質を運ぶ道路(毛細血管)がつくられ、粘膜がはれてくるのです。そのため鼻がつまってくるのです。その炎症(戦争)が喉の方に及べば喉の粘膜が赤くはれて、いたがゆくなってきます。

通常のスギなどの花粉症ではぜんそくを起こさないと考えられております。しかし、花粉が多い年や時期ではぜんそく症状を起こして受診される方も少なくありません。ひどい炎症になれば気管まで飛び火してせきが出てきます。そして、気管支の方まで過敏な状態が広がればぜんそく様の気管支炎になります。花粉症の頃、いくらせき止めを服用しても効かないことがあります。そんなときにぜんそくと同じ治療を行うと治まるケースは少なくありません。「私は花粉症だけどぜんそくはないですよ。」と思っていたら油断大敵です。このような症例には通常の気管支ぜんそくの治療薬である吸入ステロイドと気管支拡張剤を使用します。急速に症状は改善します。

日常生活ではどうすれば?

1.体質改善:花粉飛散前から身体を鍛える。たばこは厳禁。
2.飛散前に抗アレルギー剤を服用する。
3. 外出時には滑らかな素材の服で花粉を寄せ付けない。
4. 外出は控える。外出するならば眼鏡、帽子、マスクを着用。
5. その日の花粉情報をチェックする