医療情報
ぜんそくとはどういう病気でしょう?
ぜんそく(喘息)とは
ぜんそくは、「(空気の通る道)気道の壁が慢性的に炎症を起こして、気道が狭くなり気道の過敏性が増した病気」です。
その症状は変動があり、繰り返す喘鳴(ぜーぜー)、息切れ、息苦しさ及び夜間から早朝に起こることが特徴です。
様々な程度の気流閉塞を伴っており、しばしば自然に、もしくは治療により寛解(症状が無くなった状態)します。
もう少し分かりやすくお話ししましょう。
こちらの写真は非常に良くできたぜんそくモデルで、日常の診療で患者さんの説明に使用しております。
左が正常の気管支断面、中央が慢性的な炎症状態にある気管支断面、右は発作が起こってゼーゼーと苦しい状態の気管支断面の拡大図です。
通常のぜんそくの状態は中央です。正常に比べて気道(空気が通る断面)は狭く、壁自体が腫れて浮腫んでおり、よく見ると壁の一部が剥げ落ちている(ピンク色になったところ)のが分かります。
神経がむき出し状態になっているので非常に過敏性が増しており、タバコの煙などによって咳を起こしやすくなっているのです。
疫学
わが国のぜんそくの有病率は、下記となります。
- 小児(6歳〜12歳):4.7〜13.9%
- 小児(13歳〜14歳):8.3〜9.6%
- 15歳以上:3.2〜10.4%
治療薬に吸入ステロイド剤が登場するまでは10,000人前後が「ぜんそく死」で亡くなっていましたが、現在では1,500人ほどに減少しました。