医療情報
ACOとはどんな病気でしょう?
疾患の概念
ぜんそくとCOPDの特徴を併せ持つ疾患「ぜんそく・COPDオーバーラップ」を「ACO」と呼ぶことになりました。
基本的には「40歳以上で気管支拡張薬吸入後の1秒率が70%以下」でありますので、COPDでありながら、ぜんそくの既往やいまなお変動性(日内、日々、季節)発作性の呼吸症状(咳、痰、呼吸困難)といったぜんそく特有の症状がある患者さんがACOと定義づけされました。
COPD側の条件
下記の一つ
- 1. 喫煙歴(一日本数×年数が200以上)または同程度の受動喫煙
- 2. 胸部CTで気腫性変化があること
- 3. 肺拡散能障害(一般の方はもちろん、非専門医でも難しいですね)
ぜんそく側の条件
下記の大3項目の2つ以上または大項目の1つと小項目2つ以上
- 1. ぜんそくの既往やいまなお変動性(日内、日々、季節)発作性の呼吸症状(咳、痰、呼吸困難)
- 2. 40歳以前のぜんそく既往
- 3. 呼気FeNO>35ppb
- 4.
- 1. 通年性アレルギー性鼻炎
- 2. 気道可逆性(一般の方はもちろん、非専門医でも難しいですね)
- 3. 末梢血好酸球数>5%または>300/µL
- 4. IgE高値
つまり、ぜんそくの治療の第1選択薬は「吸入ステロイドICS」で、COPDの治療の第1選択薬は「長時間作用型抗コリン剤LAMA」が広く受け入れられているので、「ぜんそくがあって40歳過ぎてCOPDの病態を伴った患者さんが増えたため、両方の薬剤をしましょう」と言う考えになり、たしかにその効果も臨床治験などでも評価されております。
若くしてぜんそくの治療を受けていた患者さんが早くから禁煙しておけばACOという概念も出なかったかもです。
薬剤にはICS+LAMA+LABAが必要かは今後の多くの治療成績の積み重ねで明らかになっていくでしょう。
*ACOの吸入薬に関しては「ぜんそく・COPDの吸入剤」ページをご覧ください。