医療情報

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安定期COPDの管理目標と計画

COPDは徐々に進行していく疾患ですが、増悪を起こさないためにも管理目標を立てる必要があります。日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版よりますと、次の通りです。

COPDの管理目標

Ⅰ. 現状の改善

  • 1. 症状およびQOLの改善
  • 2. 運動耐容能(息切れに耐えられる運動能力)と身体活動性の向上および維持

II. 将来のリスク低減

  • 1. 増悪(肺炎や入院機会を減らす)の予防
  • 2. 全身併存症および肺合併症の予防・診断・治療

これを実行するために患者さんに個々の管理法を立てる必要があります。
次に掲げるのは日本呼吸器学会COPDガイドライン第4版での「安定期COPDの管理」を図式化したものです。
さらに下の図は、新しい日本呼吸器学会COPDガイドライン第5版のものです。

図が逆になっていて少々分かりづらいのですが、基本的には大きな差はありません。
使用する吸入剤がCOPDの病期にとらわれず患者さん個々の状態に応じて追加減量をおこなうことと、本ホームページの別ページにも新たに記載してあります「喘息COPDオーバーラップ(ACO)」を考慮して全病期において吸入ステロイドICSを用いることです。

COPD管理計画

  1. 1. 重症度および病態の評価と経過観察:全身合併症も含む
  2. 2. 危険因子の回避:タバコ煙の回避、感染予防(ワクチン、うがい手洗い)
  3. 3. 長期管理:薬物療法と非薬物療法を行う

以上、具体的に計画を立てて包括的に診療を行うことを「COPD包括的肺リハビリテーション」と呼びます。もっとも必要なのは患者さんとご家族にこの病気を理解していただくための「患者教育」、「禁煙」と「運動療法」と考えます。

*COPDの吸入薬に関しては「喘息・COPDの吸入剤」ページをご覧ください。