医療情報

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臨床治験の流れ

治験はどのように行われているの?

治験に参加するまで

1. 治験に参加するためには…

病気の種類、検査結果、医師の指導を守っていただける方、定期的な来院が可能な方、などの条件に合致することがとても大切です。

2. 医師からの説明

病院を受診したとき、医師から「説明文書」などを用いて治験の内容についての説明があります。

説明文書
どのような治験なのか、患者様に十分理解していただき、治験への参加について考えていただくための文書です。

3. 治験コーディネーターからの説明

治験コーディネーター(CRC)から治験について、より詳しい補足説明があります。

不安に感じていることや、疑問に思っていることなど、何でも聞いてみましょう。
治験参加を決めた後でも、随時お聞きください。

4. 参加するかどうか考える

治験の説明をきかれた後、十分に考えて、自分の意思で参加するかどうか決めてください。
説明文書を持ち帰り、家族の方と相談してから決めることもできます。

5. 参加

参加いただく場合、同意書にあなたの名前と同意した日付を記入し、参加の意思を確認します。

同意書
「説明文書」の末尾にあり、治験参加を決めた方が、署名により参加の意思を示すための文書です。

治験に参加してから

治験への参加に同意いただくと、次のように治験が行われます。

1. 治験のための聞きとり

治験によって決められた基準を満たしているか調べるため、合併症やお使いの薬について伺います。

2. 治験のための検査

治験によって決められた基準を満たしているか調べるため、さまざまな検査を受けていただきます。

治験によって検査内容は異なりますが、主に、血圧・脈拍測定、血液検査、尿検査、肺機能検査、心電図検査です。
治験には、患者様の安全を守るための基準などが決められています。

3. 治験薬の投与開始

さまざまな検査の結果から、基準を満たし治験薬を使い始めても問題ないと医師に判断された場合、治験薬の投与が開始されます。

4. スケジュールにあわせた来院・診察・検査

患者様の体調はどうか、治験薬の効き目はどうかを確認するために定期的に診察・検査を受けていただきます。

検査や診察がスムーズに行えるよう、CRCが付き添いサポートさせていただきます。
来院予定日は医師またはCRCと相談しながら決めていきます。

治験参加時の注意点

1. 治験薬の使用方法

治験薬の使用方法、使用期間、回数は守りましょう。
使用済みの治験薬、未使用の治験薬は、安全のために来院の際には医師またはCRCに必ず返却をお願いします。

治験薬は自己判断で止めたり、使用方法を変更したりしないでください。

2. 生活上の注意

治験の内容や病気の種類によっては、食事や運動に関する注意や飲酒・喫煙の制限をされる場合があります。

3. 他院へ受診される場合

他の病院に受診される場合は、事前に医師やCRCにご相談ください。
他院受診時には「治験参加カード」を他院の医師や薬剤師さんに必ずご提示ください。

4. 他の薬を服用する場合

市販の風邪薬や漢方薬、栄養剤、塗り薬、貼り薬、点眼薬、点耳薬、サプリメントなどを使用したい場合は、薬を使用する前に医師やCRCに相談ください。

5. 体調に変化がみられた場合

治験薬を使い始めてから、いつもと違う症状を感じた場合は、すぐに医師やCRCに連絡・相談ください。

治験Q&A

  • 最新の医療・最新の薬(候補)での治療などを受けられることがあります。
  • 医師による丁寧な診療やCRCによるサポートが受けられます。
  • 国(厚生労働省)に新しい「薬」として認められた場合、多くの同じ病気で苦しむ方々の治療に使うことができます。
  • 効き目を正しく比較検討するために、効き目のない薬(プラセボ)を使用いただく場合もあります。
  • 薬の効き目と副作用などについてわかっていない部分を調べていきます。

参加いただく方の健康状態に配慮するため、治験には参加いただくための条件があります。治験の参加条件と患者様の健康状態をみて、医師が参加できるかどうか判断します。

治験への参加に同意した後でも、参加をやめたいと思ったときには、いつでも参加をやめることができます。やめたからといって、その後の医師との関係を心配する必要はありません。

治験に参加した場合、あらかじめ決められたスケジュールに沿って来院し、診察や検査を受けていただきます。そのため、通常の診療より来院回数や検査が増えることがあります。これに対し、診療や検査がスムーズに行われるようにCRCがサポートを行います。また、費用面(検査や一部の薬代、交通費等)の負担を軽減する制度も作られています。

治験は「患者様の人権、安全を最優先に考えて行う」「決められた条件を満たす医療機関で行う」「患者様のプライバシーは守られる」など国が定めたルール(医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令)に従って行われています。