医療情報
高齢者のワクチン接種の有効性
肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌ワクチンには2種類のワクチンがあります。PPSV23(23価肺炎球菌莢膜(きょうまく)多糖体ワクチン)は65歳以上の高齢者に対して公的補助が受けられるようになってすでに多くの高齢者は接種されていると思います。当院では公的支援がなされる以前から数百人の方に接種を行ってきました。接種後5年ごと再接種するのですが、その感染抑制効果が減少していくことが分かりました。つまりPPSV23はメモリーB細胞を誘導しないので、あらたにPCV13(13価肺炎球菌蛋白結合型ワクチン)が開発され、この二つのワクチンを組み合わせることで効果の有効性と持続が確認されました。
二つのワクチンを組み合わせて接種するには順番と一定の間隔などが必要ですので、当院にお尋ねください。
インフルエンザワクチン
インフルエンザワクチンは高齢者だけでなく生後6ヶ月以上が対象になっており、毎年多くの方が接種されております。とくに65歳以上の高齢者には市町村から(納税額によって差があります)公的補助がなされています。とくに接種すべき対象者は心臓・腎臓もしくは呼吸機能に障害がある、日常生活に極度の身体的障害がある、免疫機能障害などの方です。インフルエンザワクチン接種により発症予防、死亡率低下、肺炎罹患率の減少などの報告は数多いので毎年接種すべきです。
日本呼吸器学会ガイドラインにおいても「高齢者に対して肺炎球菌ワクチンとインフルエンザワクチンの併用接種は“実施することを強く推奨する”」と記載されております。
小宮幸作、鈴木 基:呼吸器疾患 最新の治療2019-2020
山藤英一郎:Medicina vol.No.12020-1
日本呼吸器学会「成人肺炎診療ガイドライン2017