医療情報

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)とはどんな病気でしょう?

慢性閉塞性肺疾患(COPD)とは

タバコ煙を主とする有害物質(日本ではほぼ100%タバコが原因です)を長期に渡り吸入することで生じる肺が炎症を起こした病気です。

呼吸機能検査で、正常に戻すことができない気道の空気の流れが悪くなった所見(気流制限)を認められるのが特徴です。

肺の奥に入る気道が腫れて狭くなったり(気流制限)、痰が分泌したり(粘液腺の肥大)、さらに終点の袋小路(肺胞)が破壊されたりした(気腫)病変が様々な割合で複合的に作用することにより起こり、それはどんどん増悪します。
症状的には徐々に進行する労作時の息切れと慢性の咳、痰を特徴とします。

COPDは、世界における死因の第3位です。しかし、他の死因と比べてあまり注目されていないのが現状です。

40歳以上の日本人における気流制限(1秒率<70%)の有症率は10.9%。世界各国(都市、地域)におけるCOPDの有病率は、数%から18%超まで様々であることからほぼ同等の頻度でありますので “日常普通にみられる病気” ですが、怖い病気です。

健康日本21(第二次)においても下記の疾患は発症予防と重症化予防の対策を講じることが重視されています。

COPDで亡くなった著名人

宇津井健さん、桂歌丸さん、ケーシー高峰さん、など。
実は志村けんさんや渡哲也さんも基礎疾患にCOPDがあったのです。

慢性気管支炎型と肺気腫型

慢性気管支炎型

喀痰症状が年に3ヵ月以上あり、それが2年以上連続して認められることが基本条件となります。この病状が他の肺疾患や心疾患に起因する場合には、本症として取り扱いません。

肺気腫型

終末細気管支より末梢の気腔が肺胞壁の破壊を伴いながら異常に拡大しており、明らかな線維化は認められない病変を指します。病理学的な肺気腫病変は、画像上は気腫性変化として高解像度のHRCT検査により容易に病変を検出ができます。

COPDで知っておくべき豆知識

喫煙歴があって咳嗽、喘鳴、息切れ(呼吸困難)、胸部絞扼感の症状のある人はCOPDと考えて良いでしょう。
COPDが進行すると医療費が高騰しますのでできるだけ早く禁煙することです。国は補償してくれませんし、介護保険も酸素を吸うだけなので介護度は上がりません。

JTもタバコのパッケージの表面に「肺気腫発症のリスクを高める可能性があります」と書かれているので、それを承知で吸ったという考えから保障には一切応じません。診断にはまず肺機能検査が必要です。